akimof の日記

酔いどれアキモフは、電気羊の夢を見るか?

自閉症といっても、ひとつ個性に収まるわけではない!

4月から新しい企業が乗り込んできて、われわれの施設を受託運営することになった。移行期間は3ヶ月。50人を越える利用者さんと家族の不安を乗せて、船はまた別な海に漕ぎだした。

もともとが自治体運営だったり、公的な組合などが運営していることも多い福祉施設というのは、外部からみると意外に思われるかもしれないが合従連衡が多い業界だ。民間の社会福祉法人NPO法人が、自分たちの組織拡大のために他の施設の買収に動き、受託運営の幅を拡げていく。要するに、「法人」格を持った組織が、営利のために業態を拡大していく世界なのだ。社会福祉ときくと、金銭と関係ないイメージがあるけれど、やはり経済活動なくしてこの世は回らないということです。

24時間テレビではないけれど、チャリティひとつとっても、多くのお金が動くわけ。

それはともかく、4月ということで、<新入社員>にあたる利用者さんもやってきた。昨年に入ったダウン症の青年は、お茶目で可愛くて、人懐っこくて、仕事はほとんどできないけれど(笑)、その独特の愛嬌で周囲のみんなに好かれている。今年の新人は、自閉症の青年。近づくと両耳を塞ぐ動作をする、やや扱いにくいタイプのように思える。作業能力は非常に高くて、簡単に教えただけで集中してひとつの仕事に打ち込む姿が頼もしい。

当たり前といえばその通りなんだけど、自閉症も、ダウン症も、知的障害も、発達障害も、それぞれの画一的なパターンに収まることはほとんどない。一人ひとり個性があるのは健常者と同様で、50人いれば全員の個別パターンがある。こういう症例だからこのように対処するといったマニュアルは全くと言って通用しない。

その個別支援の構想に対して、さらに保護者や関係者の希望やら欲目やらが錯綜して、なかなか個別の対応が難しい業界だと思うけれど、180度視点を変えれば、われわれ職員も様々な性格や個性を抱えている人間であるわけだから、結局はそのあり方が試される世界ということでもある。人が、自分とは異なる人と接触する時にどうあるべきかという、単純な所作の連続が福祉の現場を作っている。

福祉というと思い浮かべるボランティア精神や、優しい心や、誰かに奉仕したい気持ちだけで、成り立っている世界ではないのだ。逆に、そんな事を常に口に出している人ほど、向いていない世界だともいえる。

私自身も、30年間も別な業界にいたからこそ、感じるのかもしれない世界。正解を語っているとは思わないけど、面白い世界です。