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akimof の日記

酔いどれアキモフは、電気羊の夢を見るか?

居酒屋甲子園って、ワタミがブラック企業じゃない証明?

 

居酒屋甲子園って、知らなかった。「クローズアップ現代」で見て、少し驚いた。

 

長時間労働、低賃金で居酒屋で働く若者たちが、生きがいや、やりがいを叫ぶ全国大会というものがあるという。青年の主張さながら、どれだけ自分たちが熱い思いで日々働いているかを競うという趣旨の大会らしい。数万人の人々が全国から集まり、まさに高校野球の甲子園というイメージで、自らの切ない思いを詩情に乗せてぶつけあう。同じような趣旨で、福祉の人々、歯科衛生、エステ、アパレルなど、さまざまな業界で全国大会が毎年開催されていて、過酷な状況の中での出会いや友情や達成感などを中心にお互いの思いを交換しあうという大会があるとは、よく知らなかった。

 

自分の息子や娘の年齢くらいの子どもたちが、大きなステージで自分を認知して欲しい衝動で叫び合うさまを見た。ちょっと異様な光景だ。

 

新興宗教に入って、単一のお題目を唱えさせられている人々の群れ。「洗脳」という技術で、若者たちを利用して搾取をする大人たちの姿が思い浮かんだ。

 

一日16時間も働いて、わずか年収200万円程度の若い男女が、目に涙をためながらやりがいを叫ぶ姿と、それに共感しあう多くの若者たちを見てしまうと、ワタミブラック企業だのなんだのといった議論は吹っ飛んでしまうようなインパクトがある。地方で行き場のない若者、都会の上手く生きれない若者、そして多くのヤンキー文化を形成している若者のすべては、ブラック企業と隣接して生きているのかもしれない。

 

女工哀史さながら、すさまじい労働条件や過酷な状況にもめげずに、その中で生まれる美しい心の交流を詩情に添えてお互いを認め合う姿は、「低学歴」「ヤンキー」というキーワードが覆い尽くすテレビ、音楽、ゲーム、SNSなどのメディアとリンクして、これからの日本の多くの若者達の道標となるような気がしてくる。

 

オーウェルの「1984」的に考えるなら、戦争に突入する若者を育成することも、怠惰に堕ちる若者をつくることも可能な、ビッグ・ブラザーともいえる優秀な人々が牛耳る社会をイメージできる。けれども、今の日本で起きている居酒屋甲子園に代表される若者達を動かしているものは、オーウェルの思惑をはるかに超え、その動かしている上位の人々でさえ得体のしれない何かに取り憑かれている気がしてなんとも空恐ろしい。