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akimof の日記

酔いどれアキモフは、電気羊の夢を見るか?

年収をとるか、心の安定をとるか

2014年あけましておめでとう。

広告業界から離れてまる2年が経とうとしている。

勤務している頃は、さまざまな企業の広告の制作を行っていた。顧客と打ち合わせを重ね、コンセプトを決め、制作物のデザイン、コピーの指示をしたり、撮影したり収録したりしながら日々を過ごしていた。30年以上も、ある意味で流行に敏感であり続けながら、その時々のマーケティングを勉強していなければいけない仕事だった。先端とまでは言わないけれど、常に時代のことを考えていなければいけない日々だった。

現在は、転職して知的障害者の施設で働いている。自分でも、他人から見ても、今までとはまるで違う環境にいる。同じ「現場」仕事。ただそれを構成する要素が違う。

広告業界の場合、顧客は自らの経済活動で生まれる経費をもって我々の行動を制御していた。そこで達成しなければいけない使命は、顧客の商業的成果の最大化ということだ。そして、いまいる福祉の「現場」は、顧客である知的障害を抱えている家族が、社会福祉制度を利用して子供たちの援助を願うもので、我々が最大化しなければいけないことは彼らの幸福であり、ケアであり助成である。

自分自身が置かれた立場で言えば、「クライアント」に使われているという点では一緒である。もちろん相手の面倒を見るという点でも一緒。けれども、なぜか同じように他人に奉仕しなければいけない仕事でも、大きく違うように感じるのはどうしてなんだろう。

どちらも、わがままで傍若無人ぶりは全く同じ。

ひとつ言えることがある。広告業界にいた時は、たずさわる人間たちが映し出すエゴがうるさくてしょうがなかった。けれども、いまいる施設の知的障害者が醸し出すエゴというのは、原初的でまっすぐである。このシンプルな違いこそが、受け取る側である自分自身のバランスを制御し、穏やかにさせている秘密なのかもしれない。