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akimof の日記

酔いどれアキモフは、電気羊の夢を見るか?

80年代に買ったCDはドブ行き?

CDは「半永久的」に「最高レベルの音質」を楽しめる、と聞かされた皆さん。そこのあなた、そして私です。

 

現在の若者、ダウンロード派にはよくわからないお話だと思うけれど、1980年代から生産されたCDを、売り文句にほだされ時流に乗って買い集めた世代がいる。第一世代のCDは定価で3500円くらいもして、音の良さというより財布に響く代物だった。「坂本教授はアナログレコードをすべて捨てた」といったようなミュージシャンの都市伝説も流れ、アナログレコードから切り替えてせっせと買い揃えた数が数百、数千枚という人が、日本中にゴロゴロいるはず。

 

けれど、その頃のCD。音圧が低く、ダイナミックレンジが弱く、楽器やヴォーカルの分離があいまい。ぼんやりと薄いヴェールがかかったような音質のものばかりだ。もちろん、平行して発売されていたアナログ・レコードではそんなことはなかったから、あくまでCD化する時の技術が進んでいなかったことが大きな原因だった。当時はアナログ盤の方が音が良いという議論もたくさんあり、なんだか疑問を感じつつも、これからはCDの時代だからということでせっせと買っていた若者たち。

 

当たり前といえば当たり前なんだけれど、技術の進歩という面で考えると、現在のデジタル化された環境に比べて当時のマスタリング技術やさまざまな機器の性能は低いわけだし、アナログとデジタルのコンバートなんて稚拙だっただろうし、さらに工場でのプレスといった川下のラインも整備され方が今と違うわけだけら、「最高レベル」「半永久的」なんて売り文句が虚しく響いたとしても技術面から見たらしかたがないわけさ。

 

フィルム映像でイメージするとわかりやすい。1970~80年代のフィルム、ビデオテープの画質は酷いものがあるでしょう? 録画する機器、コピー・保存する機器、再生する機器という、川上から川下へ向かうハードウェアの性能が格段に進歩している様は、映像だと言葉通り「目に見えてわかる」。

 

しょうがないので、新しくリマスター盤が出たものは買い換えているという音楽ファンも多くいて、ハードの進化過程に偶然乗っかちゃった世代としては諦めるしかないのかもしれないけど、リマスター盤を集めるのも途方もない虚しさにとらわれることもある。特にロックというジャンルだと、名盤と呼ばれる作品は1960~80年代に多く、当時に買い揃えた人たちは、そのほとんどがモコモコ、もさもさした音質のCDで聴かなければならないということになっていて、何かの苦行ですか?という気分にさえなるからね。

 

音圧を調整するソフトや音質をいじる機器も出ているけれど、なんだかそういうのも根本的に違ったアプローチのような気もして、そもそも面倒くさいこともあり、だんだんと昔に買った(昔のアルバムではなくて)CDを聴かなったという人は多いんじゃないかな。

 

そんなこんなが積もり積もっているから、CDやめてすべてダウンロードに置き換えようか、と思ってしまう。この思わされ方そのものが、きっと大きな時代の流れ、何かの術中にハマっているんだろうね。