akimof の日記

酔いどれアキモフは、電気羊の夢を見るか?

孤独死、孤立死に至る前に

必要があって調べているのだけれど、あまりの酷さに途方に暮れている。

特別養護老人ホーム。略して特養の入所待ちが全国で42万人を超えているという。この特養は公的に要介護の認定を受けた人が条件になる。その条件を満たしている人の待機数でこの人数だ。審査で介護認定を受けられず、要支援や非該当(自立)と判定された今後の予備軍の人数や、現在60〜65歳の「団塊の世代」と呼ばれる1000万人を超える人口ゾーンを考えると、この特養の待機人口の増加はこれから恐ろしい数になるだろう。

民間の有料老人ホームを利用すればいいじゃないかという声もあるだろう。さまざまな事業者が参入して、確かに民間のサービスも充実してきているとは思う。しかし、「有料」と名の付くとおり、入居費、敷金に数百万〜、月額20万円〜、なんていう相場に対して、どの家族でも対応できるという金額ではない。したがって、どうしても保険サービスのきく公的な施設を中心に考えることになるわけだが、その施設が待機待ち2年〜10年が当たり前となっている実情…。

このことは、要介護で公的施設の待機待ちの人から、さらに要介護までいかない判定の人も含め、日本中で高齢者が「在宅」での介護サービスを受けていることを意味し、入所待ちまでの長い期間、これからもどんどん予備軍を増やし続けていくことにもなるわけだ。

また、この福祉を支える側の問題もある。少子化の一途をたどる日本で、さらに3Kと呼ばれる職場ということもあり、このジャンルに携わる若者は少ない。アジアからの「手」を受け入れるように少しづつ国も制度も作り直そうとしているようだけれど、資格審査や言葉やさまざまな壁で進んでいないのが現状だ。

待機児童の問題も重要だとは思うし、子供手当てがどうしたという話もわかる。しかし、介護施設や介護サービスを中心としたさまざまな困難については、まだまだ表面化しにくい面があるようだ。公的であれ私的であれ、ホームに入ってからの様々な話しは語られたりすることもあるが、入所までの「難民」の増加とその困難さについてはあまり語られない気がする。

昨今、報道が増えてきている高齢者の孤独死、孤立死のニュース。この背景には、都会の薄情という問題だけではなく、介護、福祉、行政サービスと高齢者の経済的な面も含めた巨大な「老人問題」が横たわっている。

これから団塊の人口が80歳に近づくまでのあと10年ほどのあいだに、高齢者に対する福祉を劇的に改善しなければ大変なことになると思うのだけれど、おそらく政治家も官僚も経済的には困ってなさそうなので、福祉政策の進捗にはさほど期待できない。

現代の<楢山節考>は、もう始まっているのだ。