akimof の日記

酔いどれアキモフは、電気羊の夢を見るか?

国民<皆>持ち家

都心のオフィス需要が急速に減っているという。長引く不況に団塊の世代の引退が重なり、空き室が増加しているのだ。それでも新規オフィスビルの建設は進んでいて、いったいどれだけ入居企業があるのかと心配になる。

ビジネス面だけではない。少子化が進み人口が減少していることは既存の家や土地が余ってくることも意味する。たとえば、結婚したふたりの長男・長女の場合、ふたりが自分の家を購入すると、個別の事情を考慮しなければ、将来的には彼らの両親の家がふたつ余る計算になる。これを売却したり貸したりすることなく、そしてその夫婦に子供がいなければ、3ヶ所とも彼らの持ち家となるわけだ。(あくまで単純に考えて)

祖父の時代からの物件を入れると、あちこちの家や土地を相続しなければいけないという人も出てきていると聞く。その家や土地は必ずしも都市部の物件ではないので、その人を資産家と呼ぶにはためらわれるわけだが。。。

子供が多い時代なら、兄弟姉妹で融通しあったりもできただろう。ところが、周囲を見渡しても似た条件のところが多いので、おのずと人の住まなくなる予定の物件は増えていくだろう。地方に行くと、そういった条件で住まなくなった空き家があって、少子化の問題はこんなカタチでも現れるのだと実感する。

1974年度で190万戸あった新規住宅着工数は、1997年度で140万戸にまで減り、最近では80万戸程度にまで落ち込んでいる。人口が減ってきているのでこれから着工数が増えていくことはないが、そうはいってもその数と同じように持ち家願望が減ってきたわけではないのだ。

家を持ちたいと希望している都市部の人が、過密化した土地を離れて地方暮らしを望むのであれば、おそらく物件のマッチングは上手くいくはずだ。上でみたように、新規着工しなくても家や土地はこれからどんどん市場にでてくるだろう。ただ、そのマッチングが上手くいかないのは、ひとえにそういった夫婦が望む仕事が地方にはあまり見当たらないことにつきる。また、そういった家族が欲しがるサービスや文化的愉しみが地方にはないということにつきる。

これだけ人口が都市に一極集中した国では、自分が納得できる仕事や、自分に相応しいと思える仕事も、実は一極集中しているというわけだ。都市の持つ魅力を放棄できる者たちだけが、地方での格安な持ち家を手にできる時代。

価値観さえチェンジできれば、国民<皆>持ち家になれるはずなのだが、なぜか都市の人々は満員電車に揺られる暮らしを続け、高層タワーマンションや丘陵地帯に広がる瀟洒な建売住宅を求めてしまうのだ。