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akimof の日記

酔いどれアキモフは、電気羊の夢を見るか?

2012年元旦、ちょっと悲しい

2012年あけましておめでとうございます。

NHKで旧ソ連の解体で独立したモルドバの現状をドキュメンタリーで流していた。ルーマニアの隣国で、東欧圏の貧国として苦しんでいる姿だ。国内の産業で大きなものがなく、多くの人がEUやロシア、ウクライナに出稼ぎに出る。国に残るのは子供たちと老人だけで、両親が出稼ぎに行ったきり行方不明になり孤児のように取り残された者や、親戚や施設に預けられた子供たちが貧しい暮らしを強いられている事実が番組で紹介されていた。

確かに、お金は回っていない。村に商店はなく、人々は自給自足の暮らしと物々交換で糊塗をしのいでいる。マンホールチルドレンや孤児も保護されているという。歴史や政治的な背景が生み出した悲劇といえばその通りで、関係者は真摯に向き合わなければいけない問題なのだろう。

ただ僕はこの番組を見て違うことを感じた。やっぱりヨーロッパは凄い、キリスト教圏は凄い、北半球は凄い、ということだ。

同じ貧しい国や国民の話をしても、アフリカ、アジア、中南米のそれと映っている内容が違いすぎる。もちろん、NHKが嘘の報道をしているとは思わない。ただ単にそこに映っている映像そのものが世界の歴史の今に至る地点、南北格差を明らかにしているのだ。

モルドバで紹介されいたいくつかの家は古いとはいえそれなりに大きい。学校などの教育施設にある設備は最低限とはいえ揃っているようだし、なによりも整然としている。家庭や孤児院で出されている食事も贅沢ではないが必要十分なものだ。子供たちのベッドはあり、洋服や靴も使いまわしとはいえ、先進国の子供たちの服装とそう違うものではない。ただ違うのは、電化製品やゲーム機のようなものがほとんどない点くらいだ。家には屋根がある。食べ物はちゃんと皿に盛られている。下着も上着も区別はついている。水はある。ゴミを捨てることはあっても、拾いにいく生活ではない。

時折、アフリカやアジア、中南米などの子供たちが紹介される番組が流れる。同じ貧しい家庭や国家の姿を紹介しているだけなのに、そこに映っている家、建物、食事、服装などの生活水準そのものが欧州や北半球のそれと違いすぎる事実に、知識として理解してきたつもりでも愕然としてしまう。

大雑把な言い方けど、いわゆる「白人たち」が三千年もの間に前進させてきた文明や文化、生活における豊かさのアドバンテージは、南半球の格差社会に暮らすものたちにとってはちょっとやそっとでは追いつけるものではないのだろう。モルドバの不幸を否定するつもりもなく、貧しさに階級はないと言われればその通りと頷くけれど、図らずも映像が映し出してしまう残酷な格差の前に眩暈を感じてしまうのだ。