akimof の日記

酔いどれアキモフは、電気羊の夢を見るか?

スポーツエージェントを考える

NBAが開幕した。労使交渉のもつれで、ファンを無視した結果の2ヶ月遅れでの開幕。さまざまな権利条項の修正があったとは思うが、基本的には選手の報酬とチーム経営をどうすり合わせるかという、いわゆる「金銭問題」でもつれで遅れてしまった。

プロのスポーツ選手がどれくらいの収入を得るかは、契約しているチームと本人が合意さえしていればいくらでも良い。ただ、これを自由に任せてしまうと、お金のあるチームはスター選手を揃えることができるし、そのことでさらに興行収入では有利にはたらくことになる。加えて戦力の均衡という面でも格差がおきてしまう。

このさまざまな不均衡を防ぐために、米国プロスポーツではいわゆる「サラリーキャップ」という制度をしいている。いわゆる支配下選手の年俸<総額>の上限を決める制度だが、ことNBAに関しては選手の年俸が高騰が続き、キャップを超えたチームは贅沢税をリーグに払う制度を導入したものの、これ以外でも細かい例外条項を数多く定めるようになってきており、近年はこの難解な条約に縛られてリーグ運営が手詰まり状態になってきている。

確かに選手を労働者とみれば、資本家に対して、報酬だけではなく保険や福利厚生でさまざまな権利を有する存在だから、労使交渉の場において強い主張がでてくるのも当然である。

この選手側につくのがいわゆるスポーツエージェントと呼ばれる存在で、選手の代理人としてチームと交渉する仕事を受け持つ。アメリカの大リーグ、NFLNBA、NHLの4大スポーツリーグでは、代理人がリーグを動かしているといわれるくらい絶大な力を持っているといわれている。

このエージェント、日本ではあまり馴染みのない職業だけれど、アメリカでは作家、俳優、ミュージシャン、スポーツ選手など、個人経営者が必ずといって頼らなければならない存在であり、その人選によって自分の活躍が左右されるくらいの影響力を持っている。日本のタレントマネージャと違って荷物を持ったりスケジュール管理をするわけではなく、そのほとんどが弁護士資格やMBAなどを持っているエリートたちであり、そんなエージェント達だけで構成された大きな会社がいくつも存在している。

このビジネスマンであるエージェントが、あらゆる場面で複雑な契約を結ばなくてはいけないアメリカ社会において、必要な存在であることは間違いない。けれど、時としてリーグを開幕させなかったりする手段にでるところは、まるでストライキで交通機関を閉鎖させてしまい利用者の足を奪って迷惑をかける組合運動にも似て、ファン不在の事態を招いていることを僕たちは知っておかなければいけない。利用者やファンのことを考えないおろかなエゴは、いずれ大きなしっぺ返しを被り、ジャンルそのものの衰退につながることを彼らは考えておく必要があるだろう。